工房・寂について
工房・寂は,純粋な音楽作品の枠を超えた舞台芸術作品や室内楽の演奏を目的として,2013年東京でカナダ人作曲家ゼミソン・ダリルによって立ち上げられました.「寂」という団体名は静けさや深さ,古色を帯びたようすや,ものの衰えゆくさま,孤独といった意味を含んでいます.工房では,「現実世界の文脈において超越的なもの・卓越したものに関わりのある作品」や,「絶対的な意味で私たちの生きた経験を基礎付けるような作品」,「社会的な,精神的な,そして政治的な思慮に富んだ作品」を取り上げていきます.工房はさまざまの美的方法論の間を往復運動しながら音楽史全体にも目配りし,戦後アヴァンギャルドの素晴らしい達成にも貢献しようというポストモダン的立場を採っています.その活動は,アジア,ヨーロッパ,北米の伝統を踏まえた芸術活動を含むインターカルチュラルなものです.